世界の群系
群系とは、類似の相観を持ち、同じような気候条件・環境条件下に成立する植物群落の分類単位であり、主に植物地理学的なスケールで世界の植生を区分するのに用いられる。
世界の主要な植生は、熱帯多雨林、サバンナ、砂漠、常緑広葉樹林、夏緑広葉樹林、温帯草原、北方針葉樹林、ツンドラ、高山植生などの群系にまとめることができ、これらの分布は主に気温と平均降水量に関係している。日本の植生は、主として常緑広葉樹林、夏緑広葉樹林からなっている。
世界の群系の分布(Walter, 1968) 出典:植生地理学(林一六、平成2年)
世界の主要な植生型(群系)と気候の関係(ホイッタカーの原図を部分修正)
(出典:日本の植生図鑑<Ⅰ>森林,中西哲他,昭和58年)
年平均気温が低く、降水量の少ない寒帯ではツンドラが主要な群系となり、年平均気温の高い熱帯では、降水量が多いと熱帯多雨林に、少ないと砂漠になる。温帯では、年平均降水量と年平均気温との関係で夏緑広葉樹林、照葉樹林、硬葉樹林などに分かれる。