クラス-群集の説明
群集の上位及び下位単位の区分模式
「改訂新版 日本植生便覧」(宮脇昭責任編集,平成6年 一部改変)
クラス域区分と植生区分
「クラス域」とは、広域に分布し景観を特徴づけている自然植生によって植物社会学的に定義されたもので、主要なクラスの生育域のことである。日本の植生は、自然植生の構成種の名をとって、高山帯域、コケモモ-トウヒクラス域、ブナクラス域、ヤブツバキクラス域の各クラス域に大別されている。
それぞれのクラス域は高山草原とハイマツ帯、亜高山針葉樹林域、落葉広葉樹林域、常緑広葉樹林域に対応している。これらの分布の決定要因となっているのは気候、なかでも気温である。
群 系
類似の相観をもち同じような気候条件・環境条件下でみられる一群の群落を指す上級の植生単位。植物地理学的なスケールで世界の植生を区分するのに用いる。
群 団
植物社会学的に定義された群集(後述)をまとめる上級の単位。
群 落
同一場所である種の単位性と個別性をもって一緒に生活している植物群を指す操作的・便宜的な植生の単位。その大きさや広がりについて特に規定はない。同じような立地では、相観・構造・組成などよく似た群落が、ある程度の再現性をもってみられる。個々の具体的群落とそれらをある体系に基づいて統合していったときに認められる抽象的群落に分けられる。
群 集
特定の種組成・生育条件および相観をもつ、植物社会学的群落分類における基本単位。
2)~5)は、主に「生態学辞典-増補改定版-,沼田真編,1988」による。